「散骨」を選択する前に③
前回、前々回に引き続き「散骨」についてお話をいたします。
今回のブログは、散骨に否定的な家族や親戚に、散骨を行うことを認めてもらう為の方法を、ご紹介(ご提案)いたします。
ご提案①分骨をする:全ての遺骨を散骨せず、一部を分骨することで残し、散骨に対し反対の方の理解を得る。
ご提案②手元供養:手元供養とは、遺骨に特別な加工を施し、装飾品として身につけたり、オブジェの中に遺骨を納めたりと、手元に遺骨を置き供養する方法(自宅供養とも言います)を言います。手元供養が生まれた背景には、お墓や納骨堂にお参りをしたくても、出来ない状況(住んでいる地域に遺骨がない)にあることや散骨により遺骨がすでに手元になく、後悔の念を強く抱く人が実際に居ること、それらのことがきっかけとなり、手元供養という葬送の方法が生まれたとされています。人は悩んだときや悲しんだとき、成功したいと思うとき、合格を願うときなど様々な場面で何かに「すがる」行為をいたしますが、そのほとんどが、神様や仏様そして、私達のご先祖様や亡き人のように思います。すがる気持ちに場所やその方の明確な存在(遺骨)が必要かは分かりません。しかしその存在が必要な方には、全ての遺骨を散骨することはお勧め出来ません。少し余談になりましたが、手元供養も分骨同様、遺骨の一部を手元に残し供養する方法です。
この二つの方法をご提案した理由については、散骨の賛成反対の議論の根本が遺骨の「ある・なし」に関係していることにあるからです。反対をする理由のほとんどは、遺骨が存在し、その遺骨に対して供養して行きたいと思う気持ちからです。散骨は「散骨=全て撒いてしまう行為」と勘違いされています。反対する方は上記の方法などで、遺骨を残すことが出来ることを知らないのです。また、散骨をしたいと願う、とうのご本人も同様にそのことに気が付いていないから、「もめてしまう」のです。(永代供養という方法もありますが、散骨を選ぶ方の理由の中には、宗教と距離を置きたいという考えの方や前回ブログでご紹介した自然との融合という観点から永代供養は考えられないという方もいるようです。このような理由からご提案としては外させて頂きました)
これらの方法はあくまでもご提案です。今実際に散骨をお考えの方には、ご参考にして頂きたいと思います。また、協議をしている中で、ご意見が分かれているご家庭には、ご意見の分かれるお互い同士が歩み寄るきっかけとなる事を切に願います。