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宮型霊柩車の行く末から捉える葬送認識② 2010年10月20日

前回のブログに引き続き、今回も「宮型霊柩車の行く末から捉える葬送認識」というテーマでお話をいたします。
<宮型霊柩車の普及と全国霊柩自動車協会の発足と活動>
1927年(昭和2年)、日本人向けの霊柩車である宮型霊柩車が登場します。宮型霊柩車は大都市圏を中心に利用されるようになりますが、全国的に普及されるのは、高度経済成長期間である1960年(昭和35年)以降と言われています。各地では住宅の建設が進み、人々が集まりにぎわいを見せます。道路や鉄道、電話などの生活に直結するインフラの整備や生活の基盤である雇用を創出する為の産業インフラ整備が進むなど、発展する日本。この好期を発展の機会と捉えた、全国霊柩自動車協会では、当時600社以上の霊柩運送事業者の会員加入(発足時約200社)を遂げるなど、運営の強化を図ります。
この全国霊柩自動車協会ですが、昭和21年霊柩運送事業の適正な運営及び公正な競争の確保をすることによって、健全な発展と公共の福祉の増進を目的とした組織として発足されます。協会の活動は目的の示す通り、適正な事業運営を行う為の協会の秩序等基盤創り及び強化、公正な競争を促す為の霊柩運賃料金制度の周知徹底・法務に関する取り組み・人材教育・業界秩序を乱す内外違法行為事業者への改善要求等々、目的を励行することに努めております。そして社会的取り組みとしては、昨今の環境問題を受け低公害車ハイブリット車の検討やインフルエンザ等感染症による遺体搬送の対策、海外遺体搬送のマニュアル作成が挙げられます。その中でもとりわけ重要とされているのが緊急輸送についてです。
全国霊柩自動車協会は、過去に発生した、災害や事故により犠牲となった方々を緊急的に搬送するなど、厳しい状況下の中その能力を生かし社会にご奉仕してきました。昨今では、その搬送能力を最大限に引き出す為に、自治体と霊柩運送業者が、協定を結び連携を深め、緊急輸送の円滑化に積極的に努めるなど、意欲的に社会貢献に努める活動に取り組んでいるようです。災害の多い、日本においては、このような取り組みは、今後重要になるでしょう。
以上、全国霊柩自動車協会の多岐にわたる事業のうちの一部をご紹介しました。
霊柩という分野は、特殊であり、中々その存在が人々に受け入れられるようなものではないということは、霊柩事業を行う者として肌で感じるところでございます。しかし、その存在は、今挙げた協会事業をご覧頂いたとき、十分に意義あるものであり、今後、「もっともっと」市民に求められる存在へと変わることを予感します。
このような飛躍の予感を感じさせる組織運営や組合の成長を遂げることが出来たのも、ひとえに先人である方々の御尽力であり、また現在切磋琢磨している会員皆様の賜物であるのではないでしょうか。そして何よりも、組合設立のきっかけとなりました宮型霊柩車をはじめとする霊柩車達。私達霊柩事業従事者はその存在に感謝しなければならないということを、改めて感じる次第でございます。

<淘汰される宮型霊柩自動車①>
宮型霊柩車は、我が国の葬送の歴史と文化の象徴であり、また、先の文章から協会創設のきっかけの一部を成しているなど、私達葬送に携わる者においては大切な存在であると言えるでしょう。しかし、現在の社会において、人々が思うその存在に対する反応は、私達の思いとは少し異なりがあるようです。全国霊柩自動車協会が会員向けに発行した「霊柩運送事業経営を考える(平成22年3月発行)」によりますと、霊柩車に関する消費者への問いかけの部分で、「霊柩車をみるとどのように感じますか」との霊柩車全体を指し示す質問に対して、回答者全体の3割が、「良い感じはしない」との回答。「実際に葬儀を行ったとき宮型霊柩車を利用しましたか」との質問に対しては、25%の方が宮型霊柩車を選び、他25%が他霊柩車(洋型霊柩車)、葬儀社に進められたケースが20%、それら以外はバン型の霊柩車やバス型の霊柩車を利用したとの回答を頂いています。
ではもう少し本質に迫る質問として「宮型霊柩車を選ばない理由は?」という問いかけをしたところ「装飾が派手」「外見から料金が高いのでは?」「霊柩車の仕様が現代の生活形態に合致していない」など、外見や外見から来る金銭的なイメージと、6割以上の方が外見に絡む不満を持っているということが言えます。
「本当に?」と半信半疑の方もいるでしょうが、このアンケートの結果が、実際に的を得ている事実として、宮型霊柩車の外見を嫌がり生活圏に入れないとする条例を布いた自治体があるということをお伝えします。
かつては、宮型霊柩車が放つ金色の輝きは、「神聖」「気品」「尊さ」を醸し出していることから、故人をお送りするにふさわしい車とされ大切にされてきました。くしくもその容姿が、消費者、住民等ご迷惑をおかけしているということは、誠に遺憾であるとしか言いようがありません。
この度のブログは以上とさせて頂きます。次回は同テーマ<淘汰される宮型霊柩自動車②>からご紹介いたします。

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