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「散骨」を選択する前に① 2010年6月1日

「散骨」は、読んで字のごとくご遺骨を、散らす(撒く)行為を言います。骨はペースト状になるまで細かく砕き、山や海、空へ撒くのが一般的とされています。散骨は、現在多くの需要はありませんが、葬儀社がその専門の部門としてグループ会社を設立したり、散骨を生業として企業した会社があることから、将来的に可能性のある葬送分野として注目されています。

通常の散骨方法は、企業が所有する山もしくは提携する地主が所有する山、海(20キロ以上の沖合)への散骨とされており、この辺りは、皆様御承知されていることと思いますが、他にもヘリコプターをチャーターしての空からの散骨や国内外の旅行と散骨をセットにしたプランなどもございます。その中には豪華客船により、ハワイの海をクルージングしながら散骨を行うものもあるそうです。

費用については、会社や散骨のプランによって金額の差異がありますが、例えば業者が散骨を代行した場合や合同で行う場合などは比較的お安い値段にてご提供されているようです。もちろんプランによっては高額なものもありますので、気になる方は、散骨専門業者へご確認することをお勧めします。

では、散骨を行うことにより、考えられる利点を挙げてみましょう。例えとして、ここでは「どの宗教にも属していない方」と条件を限定してみます。まず考えられるのが①納骨堂や墓石の購入費・管理費が掛らない。:ご遺骨がありませんので、必然的に納骨堂や墓石は必要ありません。②宗教者への御礼金がいらない:基本として無宗教ですのでもともと関係はありませんが、初七日から四十九日、納骨時の御参りのときのお布施等礼金を用意する必要がなくなります。③残る方が抱える不安や負担からの開放:①②から見る金銭的な不安や御墓や納骨堂を見守るなどの精神的負担から開放されます。④精神的安堵感:自身の死を考えるとき、なぜか「自然に還りたい」という気持ちが湧いてくるのは私だけではないと思います。人の潜在意識の中には、人が人として地球に存在した時代、大自然と共存していたころの意識があり、そのような意識が、死という人生の終わりを考えるとき、不思議と現れ、自然との融合を私達は求めたくなるのかもしれません。そして、そのことが達成されたとき、旅立たれた人も残る人も安堵されるのでしょう。

以上、散骨を行う上で考えられる利点でした。しかし、実際に散骨を行うにあたっては、十分な理解といくつかの注意が必要です。あえて無宗教の方と限定したのは、無宗教のご家庭と宗教に属しているご家庭では、遺骨への考え方に違いがあり、散骨が家族だけの問題ではなく、親戚まで発展することもあるからです。簡単に「散骨しましょう」とはいかなくなることもございます。その辺りの話は、次回のブログにてご紹介いたします。

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