友引にお葬式をしないと聞きました
世間一般では、「結婚式は大安」「お葬式は友引を避ける」と言われています。この考え方は先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口からなる六曜(ろくよう)から来ているようです。六曜は中国で生まれたもので、暦として使われるようになった時期などは不詳です。三国志で有名な軍師、諸葛亮公明が日の吉凶を六曜で占い、戦略に利用したという説がありますが、定かではありません。六曜は元々、月日を読むものとして創られたもので、1か月を30日と定め、5等分(30÷5=6)、6日を一定の周期とし、その6日間の各日に、先勝、友引・・・を付けることで、月日の移り変わりを分かり易くしたとされています。日本に伝来したのは、14世紀の鎌倉時代末期から室町時代。名称や解釈、順序は現在とはまったく異なり(即吉→共引→周吉→虚亡→泰安→赤口)、赤口以外の名称は全て変わりました。19世紀の初頭に現在の形に落ち着いたようです。
さきほど、諸葛亮公明が、六曜を戦を行う上で、活用したとお話したように、各六曜には、固有の吉凶や運勢が定められています。例えば、先勝ですが、「先んずれば即、勝つ」の意味があり、かつては、速喜・即吉と書かれ、万事に急ぐことが良いとされています。大安は「大いに安し」の意味があり、「何事においても吉」、「成功しないことはない」ということから、結婚式が大安に行われることが多くなりました。では『友引』はどうでしょう。「友引」は本来、勝負事においては、引き分ける日『共引き』と書くことから、現在のような「災いが友に及ぶ」という意味はありませんでした。この考え方は、陰陽道の、ある日あるときに事を行うと災いが友に及ぶ「友引日」の考え方から来ており、六曜の「共引」と陰陽道が混同され、現在の『友引』に至ったようです。このような経緯により、友引に火葬場を休業するという地域がありますが、基本として、六曜自体が仏教とは関係のないことから、友引に葬儀を行うことについては、まったく問題はありません。ただ、火葬場などのメンテナンスを考えたとき、友引を理由に火葬場を休業することは、必要なのかもしれません。